多店舗展開を成功させる《第2の法則》

店舗展開を成功させる《第2の法則》

第2の法則 「成功要因の明確化」

営業利益率が安定して15%以上出るようになりました。じゃあ、安心して多店舗展開していこうと思って広げていっても大抵の大抵の経営者がそこでつまずきます。つまり15%以上の利益が出ていると言っても安心できないのです。
たとえば、立地がいいだけで売れている店もありますし、原価率60%かけているから売れている店もあります。
その他に、すごい腕を持った料理人を高給で雇っていることが人気の秘密で売れているケースだってあります。つまり1号店の成功要因が明確になっていなければなりません。この時に分析する要素は売上を7つの要素に分解して考えます。

売上UPの7つの要素

私はお店の売上を分析する時に、常に以下の7つに分けて考えるようにしています。

1)新規顧客を集めるための仕組みや仕掛けはあるのか?
2)2回目来店につなげるための仕組みや仕掛けはあるのか?
3)3回目来店につなげるための仕組みや仕掛けはあるのか?
4)リピート客が離客させないための仕組みや仕掛けがあるのか?
5)意図的に口コミを発生させるための仕組みや仕掛けがあるのか?
6)買い上げ点数を意図的に増やすための仕組みや仕掛けがあるのか?
7)価値をあげながら一品の単価を上げていくための仕組みや仕掛けがあるのか?

こちらの7つを意識しないで、今の売上を維持できているとしたら、それは偶然の産物にすぎません。つまり、再現性がないということです。
よく会社の会議で売上が悪い時に売上をどう上げていこうかの議論をすると思います。その時、社長や一部の優秀な社員だけが話をして、後のメンバーは何をやっていっていいかわからないという風な顔をしています。では、どうしたらいいのか?
まず売上を上げていこうと議論する時に、「どうやって売上を上げていこうか?」というよりも、「30代前後の新規の女性客を増やすためにどうしていこうか?」と聞いた方が、現場の人間は具体的な意見を述べるようになります。さらに掘り下げて、「30代前後の新規の女性客を増やすために、店前の置き看板やノボリを変えるとしたらどうしたらいい?」と質問すれば、議論は活性化します。現場の生きた意見を引き出すことも可能です。
このようなやり方で、なぜ自店が15%以上の利益が出ているのかを仮説でもいいので言語化していくのです。仮説が出れば、あとは検証していくだけですからね。

市場にはお客様とライバルしかない

最後に成功要因は過去、そして現在の業界・市場の状態、時代背景などにより、常に変化します。業界と市場は生き物です。その意味でも業界・市場の推移と競合他社の調査を踏まえ、その事業が持つ成功要因が将来に渡って有効かどうかを判断することが極めて重要です。
ブロダクト・ライフ・サイクルという理論があります。これは商品が、導入期、成長期、成熟期、衰退期の4つの段階を経るという理論です。業態にも寿命があります。これは国や生物などありとあらゆることに当てはまると言います。
では、今の自社のブランドはどうなのか。成長期にあるのか、それとも成熟期なのか、はたまた衰退期なのか。
そう言った意味で、あらゆる角度から1号店目の成功要因を正しく分析することによって、その成功要因を2号店、3号店とコンスタントに再現できるようになるのです。

多店舗化セミナー|加納 聖士

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