一流のアスリートほど、心を重視して試合に臨む
人をつかって成果を出すリーダーに必要なスキルの一つは、部下の「心のつぼ」を満たす術を使いこなせるということです。
では、どうやったら心のつぼを満たすことができるのでしょうか?
ヒントとなったのが、能力開発の魔術師と言われた西田文郎先生のセミナーに参加したのがキッカケでした。
西田先生は、メンタルトレーニングのパイオニアと知られるメンタルトレーナーで、多くのトップアスリートたちのメンタルトレーナーを務めるほか、企業の社員教育、ビジネスマンの潜在能力開発セミナーなどのビジネス業界でも活躍している大先生です。
その西田先生がセミナー中で面白いことを言っていました。
それは、人間は3ヶ月間、モチベーションを高いレベルで維持することができたら誰でも天才になれる、という話です。
これを聞いたとき、「へぇ〜、本当かよ!!」「でも、そのほど人のモチベーションを維持することは難しいものなのかぁ」て心のなかで思ったものです。
西田先生が言うには、一流の選手になればなるほど、心を重視するプロで、彼ら彼女らは自らの「心のつぼ」を満たす術を持っていると言います。
自らの元気を引き出す「サイキングアップ」という手法
メンタルトレーニングの世界の「サイキングアップ」という自ら元気を出す手法です。リラクゼーションが緊張・不安・興奮という心の感情を抑える方法なのに対して、サイキングアップは緊張や興奮を高めて気分を盛り上げ、最高の状態へもっていくことができます。
西田先生が言うには、これをいつでもどこでも誰にでも、トレーニングによって実現することが可能だとおっしゃっていました。
サイキングアップトレーニングは生理学的には、ドーパミン(性感ホルモン)という脳内物質を多く分泌させ、脳の働きが活発化させることで、意欲を盛り立てることができます。
野球やサッカー、ラグビーなどの試合では、円陣を組んで全員で声を張り上げ、気持ちを一つにして気分を高めようとする場面をよく見ますが、個人競技であってもビジネスであってもトレーニングでサイキングアップ状態に意図的に作ることが可能なのです。
本気の朝礼で有名な居酒屋てっぺんの朝礼効果
それを意識していたかはわかりませんが、飲食の世界で取り入れたのが、本気の朝礼で有名な居酒屋てっぺんの大嶋啓介さんです。
てっぺんでは、開店前に「本気の朝礼」を行っています。お客様を迎える前に、スタッフ一人ひとりの本気を引き出し、スーパーハイテンションな状態、最高の状態をつくります。
本気の朝礼に関しては賛否両論ありますが、その効果は間違いなく本物です。つまりてっぺんでは毎日の朝礼のなかでサイキングアップ状態にすることで、常にモチベーションを高い状態を維持しているのです。
手法はどのようなやり方を使ってもいいと思いますが、リーダーは意識して、部下の気分が乗らなかったり、弱気になったり、テンションが上がらないときに、サイキングアップ手法を使うことで、彼ら彼女らの緊張や興奮を高めて気分を盛り上げ、最高な心理状態に持っていくことが成果をあげるために大切です。
自らと部下のモチベーションを高い次元で維持すると驚くほどの成果があらわれます。
これが22年間店舗ビジネス業界で仕事をしてきた私の結論なのです。
加納聖士
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