5店舗、6店舗目になるとまるで別世界の経営に突入する

5店舗、6店舗目になるとまるで別世界の経営に突入する

Uターン5店舗組、4店舗組の魔物

多店舗展開で5店舗以上の多店舗化に成功する企業は3%しか存在しません。
この中にはいったん5店舗以上の多店舗化に成功したのに、Uターン5店舗組、4店舗組といって戻ってきてしまう会社があります。
それまで順調だった既存店の売上が急激に落ちて、二進も三進もいかなくなるのもこの頃です。
もっと悲劇なのは4店舗までの多店舗化に成功して、それまでなかなかお金を貸し渋っていた銀行が、今度はお金を借りてほしいとお願いされ、経営者として認められたと思って調子に乗って大箱で出店したら、これがコケて再起不能に陥る会社も少なくはありません。
この辺の数字は経済産業省でも取り扱っていないので正確な数字はわかりませんが、私の肌感覚で言えば、1/3の企業がこれに該当するのではないでしょうか?

失敗の最大の原因が、過去成功した理由そのものである

では、なぜ5店舗まで拡大していって縮小してしまうのでしょうか?
いろいろ考えられますが一番大きな理由は、なまじっか成功体験があるから、過去の経営のやり方やプロセスを変えられなかったことに理由そのものがあります。
つまり失敗の大原則は何かというと、それは「過去成功した理由そのものである」という言葉もあるくらいだからです。
私の養成塾の受講生の中にも何人かいましたが、その社長たちに能力がないかというと、決してそんなことはありません。
逆に能力の高すぎる社長が多かったです。
たとえば車で例えると、すごい大きなエンジンを積んでいるのに、それを支えるフレームとかシャーシーとかが弱かったのです。
極端な話、エンジンがフェラーリなのに、シャーシーがカローラだったら無理がありますよね。
ここで言うシャーシーが枠組みであったり、社長の能力をいかす土台とかになるのです。
それを本質と言っていいのか、コンピューターでいうとコンピューターそのものを動かすためのソフトウェアであるOSになると思います。
いいシャーシーに取り替えないで、どデカイエンジンでアクセル全開にしたら空中分解してしまいます。
Uターン5店舗組で戻ってくる会社のイメージはこんな感じなのです。

多店舗化シャーシーを再構築する

だから多店舗化を目指すならばシャーシーを再構築しなければなりません。
このシャーシーが何かというと人づくりであったり、仕組みづくりであったり、正しい多店舗化の手順だったりするのです。
3店舗までは極端な話、社長ひとりでマネジメントできた店舗運営が、5店舗からはそうはいかなくなります。
つまり安心して任せられる幹部や店長を育て、誰が何度やっても同じ成果を出せる仕組みや仕掛けを構築しなければならないのです。
これを“多店舗化シャーシー”を構築すると私は呼んでいるのですが、結局は5店舗目からの経営術の根幹は、これらを再構築しなければならないということなのです。
多店舗化には原理原則がある。
これが22年間店舗ビジネス業界で仕事をしてきた私の結論です。

加納聖士

多店舗化セミナー|加納 聖士

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