人材育成には原理原則がある、心が育つと人は成長する

人材育成には原理原則がある、心が育つと人は成長する

人はテクニックや手法では動かない

人材教育のなかで一番難しいのは何ですか、クライアントからよく聞かれる質問です。
もちろん正解不正解のない世界ですが、私は決まって「心のコップを上に向けること」と答えます。
年に数十件、私のところによい人事考課制度はありませんか、とか、よい教育プログラムを作りたいのですが先生できますか、といった問い合わせがあります。
その時にも決まって答えていることが、「◯◯社長、人はテクニックや手法では動きませんよ」という回答です。これは22年間、現場で揉まれてきたからこそ、実感している現場の真実です。
では現場は何で動くのか?
その答えが「心のコップを上に向けてあげる」
ただそれだけです。
もっというと、「心のコップを上に向けられる」それができるかできないかでテクニックや手法が活かされるかどうか決まります。

部下の心のコップを上にむけてあげる

私の好きな言葉にこんなものがあります・
「想いは手法の上流にある」
素晴らしい言葉ですよね。どんな手法やテクニックよりも、想いの方が常に上に位置しているのです。つまり本人が「やりたい」という強い想いの方が「手法」よりも遥かに上に置かれているのです。
ただ、この言葉には続きがあります。それは、
「しかしながら、手法なき想いは無力である」です。
なるほど、真理ですね。
このように想いがあって手法がなければ形にすることができない。でも想いの方が大事。これが人材育成の極意です。
そしてこの想いを醸成させる最初の一歩が、心のコップを上に向けることなのです。
イメージしてください。伏せたままのコップがテーブルの上にあったとします。このままの状態であったら、どんなに水を注ぐのが一流のウェイターでも水が注げません。つまり、どんなに良い知識や技術があっても部下に心に入っていかない。
しかし、心のコップが上に向いていれば多少下手なウェイターでも部下の心に水を注ぐことがでるのです。

心のコップを上に向けるのは本学

実は3,000人の従業員教育を担当してきて一番苦労したのが、このコップをどうやって上に向けるか、
ということでした。
ではどうやって心のコップを上に向けるのか?
それは知識やテクニックを教える前に心の教育をしてあげることです。
つまり考え方やあり方を真っ先に教えてあげるのです。
もっと言うなら「正しく生きるため、正しく働くための考え方」を教えるのです。
私の経験上、人材教育でうまくいっている企業は5%で、うまくいっていない企業の割合は95%です。何が違うのでしょうか?
それは人材教育に苦戦している企業は教育において本末転倒しているのです。
そうです、本末転倒です。教育には本学と末学があります。
本学とは「人間としてどう生きていくかを学ぶ人間学」
末学とは「仕事をする上で覚えなければならない知識や技術を学ぶ仕事学」です。
うまくいっている企業は本学を教えていて、うまくいっていない企業は末学ばかりを教えています。
このあたりのことは別のコラムで書いていきますが、とにかく教育で一番難しいのは心のコップを上に向けることで、ここが理解できないと人材育成はつらいものになるのです。
人材教育には原理原則がある。
これが22年間店舗ビジネス業界で仕事をしてきた私の結論です。

加納聖士

多店舗化セミナー|加納 聖士

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