多店舗展開を成功させる《第1の法則》

多店舗展開を成功させる《第1の法則》

営業利益率15%以上のモデル

多くの経営者が勘違いしていることがあります。それは店舗数が増えると自然発生的にチェーン化できると思っているようですが、これは間違いです。

多店舗展開は気合と根性でするのではなく、多店舗化できる事業を作ってこれを正しい手順で広げていくことがポイントになるのです。

たとえば1号店が儲かったから勢いに乗って2号店・3号店を出したいと考えるのは人情ですが、たいていの経営者がここでつまずきます。
まず大切なことは、多店舗化の第一の条件は、1号店がメチャクチャ儲かっていなくてはなりません。
具体的な数字でいうと営業利益が15%以上です。

多店舗化の出店費用の原資は、既存店のキャッシュフローが原理原則

なぜ15%以上かと言いますと、多店舗化の出店費用の原資は、既存店のキャッシュフローが原理原則だからです。もちろん金融機関から借り入れもおこないますが、あくまでも多店舗化の原資は1号店のキャッシュフローです。店舗ビジネスは投資→回収→投資→回収のサイクルの中で、しっかり資金を確保して「カネ」という土台をしっかり固めなければなりません。
メチャクチャ売れているけど利益は雀の涙。これでは投資したものが回収できなければ、余裕資金を貯めるどころか、資金不足で経営は成り立たなくなってしまいます。
だからこそ15%以上の利益から、内部留保と、金融機関の借り入れ、そして出店コストを貯めていかなければなりません。15%とそういう意味で一つの目安です。多店舗化できるポテンシャルを持った事業ならば2〜3年で初期投資を回収していかなければならないので、15%以下ならば、その事業での多店舗化は諦めた方がいいと私は判断しています。

フランチャイズは加盟店が儲からないと本部が儲からない仕組み

あと、この営業利益15%以上という数字はもう一つの意図があります。
それは将来フランチャイズ展開していくという選択肢を増やすことに繋がります。つまりFC本部構築する上でも15%は必要最低限の数字になります。
なぜならフランチャイズビジネスは本部のノウハウを提供する対価として加盟店は本部にロイヤリティーを支払います。このロイヤリティーは金額で固定されているところもあれば、売上の何パーセントというように比率が固定されているところもあります。つまり、当たり前ですが加盟店は本部よりも利益率が悪くなるからです。
この点から考えても、15%以上の利益が出ていないと、FC本部にロイヤリティーを支払った後に加盟店に利益が残りません。
フランチャイズについては別のコラムで書きますが、フランチャイズビジネスは長期的な視点で見ると、加盟店が儲からないと本部が儲からない仕組みです。
つまりwin-winの関係を築かないとならないので、この点からも営業利益率15%以上は必達なのです。
先ほども書きましたが、メチャクチャ売れているけど利益は雀の涙。これで多店舗化に踏み切ったら、地獄を見ることになります。

多店舗化セミナー|加納 聖士

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