多店舗展開に必要とされる7つの条件《後編》

フランチャイズ本部になれるかどうかの7つの判断軸

フランチャイズ本部になれるかどうかの7つの判断軸

前回と前々回のコラムでは、多店舗展開に必要となる7つの条件のうち、

1、営業利益率15%以上
2、投資回収が2〜3年以内
3、参入障壁が高く、撤退障壁が低い
4、差別化があり、競争優位性を持っている
5、出店エリアの拡大度、ドミナント出店が可能か

の5つの条件について説明してきました。

いよいよ今回は、6番目と7番目の条件になります。

ノウハウの非属人性

6番目の条件が、多店舗展開していくためには「ノウハウの非属人性」が必要だということです。
とは言っても立ち上げ時は属人性で構いません。
なぜなら専門家でないと、いいビジネスモデルが創れないからです。

しかし、ある程度の店舗数になり、本格的に多店舗化を考えていくようになったら属人性から非属人性に移行していくための仕組みを構築していかなければなりません。
つまり、多店舗化とは専門家集団が作り上げた成功ビジネスを、専門家でなくても運営ができるようにカスタマイズして、それを大量生産するイメージだからです。
これをチェーン店は最新設備やIT化によって補っているところが多いです。
いずれにしても非属人的のオペレーションを構築できるかどうかがPOINTになります。

これを「チェーン・システム」と呼びます。
チェーン・システムとは「店舗運営の3大原則」といわれる「単純化・標準化・分業化」のことで、専門家に頼らない仕組みのことです。

再現性が高い

7番目の条件は「再現性が高い」ということです。
再現性とは、いつ、どこで、誰が、何度やっても同じ成果を出せることです。
そしてこれを構築するために必要なことが、体系化された「教育プログラム」と「訓練システム」になるのです。

なぜなら非専門家でも再現化することができなければ、多店舗展開は難しいからです。
ですから「多店舗展開には教育が必要不可欠」だと言われるのです。
チェーン全体のブランドイメージを維持するためには、本部ノウハウを一定レベル以上の水準で再現させる仕組みや仕掛けが必要です。
そしてこの機能を充実させるために必要になっていくのが、本部ノウハウの「標準化」と「見える化」です。

手順としてはまず、本部ノウハウを「マニュアル化」してから、このマニュアルに基づきながら「研修プログラム」を構築するのです。
この時テキストとして使用するマニュアルは、オペレーションの基本を「体系化」して「見える化」したもので、統一性を要求される同一業態の多店舗化において、まさにバイブルになります。
近年、マニュアル化された店員の対応への批判などから、マニュアル化についての賛否両論がありますが、「マニュアル不要論」と混同してはいけません。なぜなら「再現性」=「マニュアル化」だからです。

以上、3回にわたって多店舗展開に必要とされる7つの条件を書いてきました。
是非これらの点を注意して、多店舗展開できる業態を開発していただければと思います。

加納聖士

多店舗化セミナー|加納 聖士

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